映画レビュー 『海街 Diary』
親が離婚をした3姉妹が腹違いの妹を受け入れ、4人で一緒に暮らす。というお話。それ以上でもそれ以下でもない。オチもない。
冒頭から男性陣へのサービスショット。その後もちょいちょい出てくるサビースショット。これで監督は男かなと推測した。
そして、世の中にそんな美人4姉妹いるんかぁーーーい!と言われそうなキャスト。上から綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。ポカリスウェットのCMに出てきそうな女優ばかりをよくもこんなに選んだもんだ。監督は間違いなく男だと確信した。
普段なら携帯片手に監督を検索するのだが今回はなぜかじっくり映画を見ようと思った。なぜだろう?この映画は事件も事故も起らない、極めて日常にありふれているようなエピソードの連続なのに・・・。長女はしっかりしないとダメ、家族を捨てて出て行くのはダメ、家族の有る人を好きになったらダメ。日常ではないかも知れないが、非日常では決して無い。誰の身の回りにも起こりえる事を、淡々と自然に見せてくれる。
映像も凄く良い。鎌倉の移り行く季節が素晴らしい。光もナチュラル。作った感を極力出さない様にしたんだろう。観客に物語を身近に感じてもらえる様に撮影をしたのであろう。
見終わって、良い映画を見た満足感でお腹いっぱいになった。エンドロールの最後で監督が是枝さんと解り、色々と納得がいった。全体を通した自然な感じ。子役の良さ。本当に上手い。演じてるんじゃなく、その状況に人(子供)を置くというだけの手法をまた使ったのかな?実際にすずに台本は渡さなかった様だけど。
また、レキシ(池田貴史)の使い方。映画『誰も知らない』のYOUの枠だと思った。
劇中で一番ビックリしたのがすずのサッカーシーン。上手過ぎ。キャノンのCMの手法でも使ってる?と思った。
このCMのヒールリフトやマルセイユルーレットのショットは、大人が子供の様なムチムチで短足の着ぐるみを着てプレーし、後処理で頭(顔)を合成したらしい。
しかし是枝さんならそんな事はしないだろう。足下と引きで人物を分けたにしても、アウトサイドのパスとか普通の女子じゃ無理だよ。広瀬すず何者だよ!
もう1つ驚いたのは花火のシーン。俯瞰の船の画は酷い。あれはダメ。絶対にダメ。屋上のシーンももう少し上手くできるでしょ?それ以外は本当に細かい突っ込みどころしかなく、大いに満足のいく映画だった。映画館で見たかった・・・。
ストーリー 4
映像 5
音楽 5
感動 5
笑い 0
へー 3
(5点満点)