ティーラトン ブンマタンという男
TOYOTA リーグカップという日本でいうところのルバン杯のようなカップ戦のベスト4をかけた戦いで、ブリラム対ムアントンという好カードがあった。
そこでのティーラトンのプレーが、彼自身の特徴をよく表す試合だった。
(今回の試合の写真ではありません)
まずは試合のバックグラウンドから。
近年はブリラムがタイリーグのトップを走ってきた。しかし昨年(2016シーズン)はムアントンが禁断の移籍※を含める代表クラスの大量移籍でトップの座を奪った。
(※禁断の移籍とはブリラムの主力であったティーラトンを、ムアントンに移籍させるという驚きのモノ。日本で例えるなら鹿島の昌子源をレッズに移籍させる感じ。ティーラトンは、ムアントンにいるティーラシン(タイのエース)と同じチームでプレーしたくて移籍したという話もある。)
そして今シーズンはブリラムがリーグトップを走っている。残り3試合を残して勝ち点差9。ムアントンは残り4試合だが、追いつくのはかなり厳しい状況。昨年はリーグ戦でブリラム相手に2勝したムアントンも、今年は1敗1分け。ということで、今回のリーグカップこそは是非とも勝ちたい試合だった。
そしてこの試合でティーラトンは左のサイドバックではなく左のインサイドハーフ。
THE STARTING XI - SCG Muangthong United at Buriram United - Chang FA Cup quarter final. Kickoff 6PM. True4U and TrueSport HD #MTUTD pic.twitter.com/5MJE55WuiG
— Muangthong United FC (@MuangthongUtd) 2017年10月11日
日本では左サイドバックと報じられることが多いようだが、最近はSBすることはそんなに多くない。ムアントンの監督も、タイ代表の監督もピーラパット※がSBでティーラトンはその前という使い方が多い。
(※ピーラパット(背番号2)はムアントン所属でタイ代表でも不動の左SB。上下の運動が多い。インサイドハーフはできないが、ウィングバックは出来る。選手の特徴はいろいろと違うが、ディフェンスのみで考えれば、ティーラトンの方が上手いと思う。)
ちなみに、以下のような時もあったが、この逆は見たことがない。
THE KIRIN STARTING XI SCG Muangthong United vs. Ubon UMT United - True4U, TrueSport HD2, 7PM kickoff at the SCG Stadium #MTUTD #TTL2017 pic.twitter.com/9wrTO5lrXg
— Muangthong United FC (@MuangthongUtd) 2017年5月20日
ティーラトンはそんなに激しく走らないから、ウィングという使い方はないんだと思う。それよりも、少し内側で速い縦パスや、サイドチェンジという良い特徴を出させた方がベターということなんだと思う。
しかし、SBのピーラパットが燃料切れをしたり、前線の選手を交代した時などにティーラトンはSBをする。試合の中でいろいろなポジションをこなすことが出来る使いやすい選手である。
そしてこの試合では、相手コーナキックのこぼれ球をヘベルチ(ムアントン/元Jリーガー)が拾い、タイ代表でもあるDF(ブリラム/ナルバディン)をかわし、ティーラトンにパス。そして落ち着いてゴールを決めた。この追加点でほぼ試合を決定付けた。さすが大事な試合には結果を残すんだよ!この人は!
05'08"〜
ちなみに大事な試合ではFKもよく決めるティラトン。
記憶に新しいのはACLでの鹿島戦。
ブリラムに所属していた時のガンバ戦。
www.youtube.com動画の後半では、FKの練習中に的に当て、ネーウィン氏※から現金らしきモノを受け取ってる!0'40"〜
オンエアでこれを流すタイのテレビ局もさすが!
(※ ネーウィン氏 タイ政界のキングメーカー、ネーウィン氏、政治とサッカーを語る )
FKは本当に上手いが、ヘベルチ加入以降は直接ゴールを狙えそうな位置ではヘベルチがほとんど蹴っている。この試合もヘベルチが蹴っていたがフカしていた。
今回は自身で点を取ったが、決して点取り屋ではない。完全にパサーだと思う。
決定的なアシストを数多くしている。キックが正確なのは当たり前だし、視野が広いんだと思う。
以下にその良さが詰まった動画。
さて、彼には良いところがたくさんあるが問題点もある。
それは、プレーヤーとして紳士でない時がある。今回の試合でも、ゴール後のパフォーマンスが長すぎた。しかも、アディサックが早く戻れと促しているのに、その手を払いのけている。
この試合で確かティーラトンはイエローを1枚もらっていたはず。それを忘れてあの時間帯にあのパフォーマンスは良くない。
ちなみに、アサンサオの1点めのパフォーマンスの後も、ブリラムサポーターに「静かにして!」パフォーマンスをして、アディサックに怒られています。
03'50"〜
今回はそんなに大きな問題にはなっていないようだが、試合の翌日にはSNS上ですこし叩かれていたらしい。(ムアントンファンのタイ人情報)
まあ最近の、ムアントン-ブリラム戦は阪神巨人戦の様なモノだからアドレナリン出まくりの試合になるんだよね。見てるぶんにはバチバチの試合が多いので楽しいんだが・・・。
因みに2016年の禁断の移籍以降で初のムアントン-ブリラム戦だったと思うんだが、こんな感じですごく荒れてます。
試合のダイジェスト映像。
温厚なチャナティップが激昂するくらいの激しさ!というか、無茶苦茶のファール。ここでもアディサックはなだめ役。あのチャナティップがなぜそんなに怒ったかというと、やられたのがタナブンで、前の所属チームも同じだし、アンダーの代表時代からもずっとチームメイトですごく仲が良いいからだと思う。また、外国人選手がタイ人選手を舐めている感じも少なからず見受けるので、そういうのが合わさってあの怒りになったのかな。
03'22"あたりではティーラトンも削られてます。あんな酷い削り方ないと思う。
そして、この試合はネーウィン氏から指示が出てるんじゃないかと疑うほどティーラトンは狙われてた。
ティーラトンの削られ動画。
ティラトーンの削り削られ動画。
ヤられたらやり返す!倍返しだ!とは言わないが、ここまでやられると、前所属のチームであっても嫌いになるよね。
だからといって、ブリラムのサポーターを煽る様なことはよくないと思う。
ただ、ブリラムとの試合の背景にはこういったことが積み重なっているのも事実。
しかし、ブリラム戦だけじゃなくティーラトンが単体でのやんちゃも多い。
ティーラトンのブリラム時代の頭突き!
ムアントンでの体を寄せてからの豪快な首投げ!
頭突き!part2
タイ語が得意でない筆者でもこれだけ見つけられたので、もっとやんちゃ動画はあるのかもしれない、しかし検索すればスーパープレー集ばかり出てくるのでやっぱりスタープレーヤーなんだと思う。
少しやんちゃなティーラトンですが、昨年結婚して、今年は子供がうまれたようです。
パーティーの様子。
嫁も子供も可愛すぎる!
なので、家族のためにもムアントンのためにも、タイのためにも、やんちゃは控えめにして活躍して!