THAILAND’s blog

タイ在住の・・・。

武井壮の理論とナイトスクープの冬虫夏草。

武井壮は頭が良い。そして分析家で戦略家。
独自の着眼点で人を唸らせる。
あるテレビ番組で学生達にこんな事を言っていた。
アスリートでも誰でも、ひとつの事を本当に極めるとこうなる!と言ってグラフのようなものを描き出した。そのグラフは山みたいな形。どんな競技でも極めればこの山がどんどん高くなるんだと。そして裾野が狭まり、尖った山というか針のようになると。
それがどう意味かというと、ある地点(競技)だけで研ぎ澄まされていき、ドンドン狭いエリア(その競技だけ)で高さ(技術)だけが上がっていくらしい。
トップアスリートになればなるほどコレが顕著らしい。その分野だけでは誰も追いつけない高い山にいるが、周りを見渡せば何もない。横の広がりを削ってまで山を高くしているので他の事が何もできないという事らしい。
だから学生のうちからその競技を極めればどうなるのか、その競技の引退後はどうなるのかをきちんと考えろ。そしてそれ以外何もできない人間になるから気をつけろと。

そしてナイトスクープの話。ある少年がクワガタムシタケという冬虫夏草を見つけたいので手伝ってほしいという依頼があった。この子は虫やキノコが好きで、ここ何年かは冬虫夏草が大好きになったそうな。大人に混じってキノコ同好会に入り、キノコや冬虫夏草を取りに行き、自力で色んな種類を見つけるすごい子供。そんな子でも見つけることができないのがクワガタムシタケ。探偵は子供の言う事なのでそんなに大変な依頼とは思っていない模様。そして自然薬食微生物の研究家に、どこでその冬虫夏草が採れますか?と気軽に聞いてみた。すると先生の口から予想外の答えが・・・。なんと世界でまだ1つしか発見例が無いという。しかもそれはクワガタのブリーダーがたまたま自分の育てたクワガタから見つけただけだと。さらに自然界では見つかった事が無いと。呆れ顔で絶望的な探偵。

しかし今度は違う方向からクワガタムシタケを探す。それは冬虫夏草の専門家ではなく、昆虫の専門家で且つ、クワガタ等の虫採集の専門家。そのスペシャリストに話を聞くと、クワガタムシタケらしきモノは年に数回みると。探偵は「はぁ?」という感じだった。
冬虫夏草のプロと、採集のプロでは意見が別れる。どちらがただしいのか?最終的に番組中には発見とはならなかったが、キノコがはっきりとした形で見えてはいないが、それらしきクワガタは見つける事が出来た。春にならないと昆虫に着いた菌が育たないので冬場の採取では厳しいようだった。しかし冬虫夏草業界ではまず発見出来ないとされていたモノが、昆虫採取業界ではかなりの希望を持てるという事が解った。

正に物事を突き詰めると、上には揚がるが横の視野が狭い。違う業界では普通の事なんだが別業界では無理と思われている現状。スペシャリストも大事だがやはりジェネラリストも必要になってくる。

 

ナイトスクープを見ていて、武井壮の理論がバチッとハマった瞬間だった。

 

ただそれだけ。大した意味はない・・・。