競技規則がおかしい! 大荒れ19分間ロスタイム。
競技規則がそもそもおかしい!
と思ってしまった以下のニュース。
Yahoo!ニュース
ネットでこの問題について色々と調べてみたが、主審の勘違いとか、判断ミスとか述べるだけで、じゃあ何分なら正解なの?と言う明確なアディショナル時間を見つけることができなかった。
この試合は、時間の管理以外にも難しい問題も起きていた。
アディショナルタイム中の怪我と言う珍しい状況や、ファールのジャッジも難しいものがあった。
さらにはゴールキーパーのゴールや、ウェリントンやポルディーの激昂。
主審はかわいそうなくらい変な状況に陥ってた。
そして、Jリーグの審判委員会が総括と反省をしている。
柿沼主審の判断ミスと、審判団のチームワークが良くなかったと結論づけている様だ。
以下ニュースより抜粋。
「アディショナルタイムはあくまでも4分。その間に何か起きたのであればもちろん時計を止めて、(再開後は)最長でも4分59秒で止めなければいけなかったところで、カウントを間違えてしまった」
この文だけ読むと、5分以上のアディショナルタイムははありえない!
主審のミスだ!
となってしまう。
しかし、時間や数字を扱うのに時間を止めてとかカウントとかという言葉で片付けてしまっている。
ここで言う、時間を止めて カウントと言う意味をJFAの競技規則の試合時間(79p)の項目3に沿って考える。
以下、JFAの競技規則の試合時間より
競技規則には時間を止めてカウントとの表記していない。
なので、競技規則に沿った言葉であえて考えると、
空費された全ての時間を追加する。
と言う一文に相当すると考えるのが妥当。
なので、時間を止めてカウントという言葉は競技規則的には意訳である。
柿沼主審はあの試合で、空費された全ての時間を追加しただけ。
勘違いでもなんでもない。
勝手に意訳はしていないし、競技規則に沿っている。
(ちなみにアディショナルタイム中でも空費された時間も全て追加されるらしい。なので時間を止めてと言う表現をしているのだと思う。)
以下の3例の状況で考察。
(例1)
前半15分 負傷で2分間の中断。
前半20分 負傷で5分間の中断。
前半40分 VARで3分間の中断。
2+5+3=10
アディショナルタイムは10分。
(例2)
前半15分 負傷で5分間の中断。
前半25分 負傷で2分間の中断。
前半43分 VARで3分間の中断。
5+2+3=10
アディショナルタイムは10分。
(例3)
前半10分 負傷で2分間の中断。
前半20分 負傷で3分間の中断。
前半40分 観客乱入で45分間の中断。
2+3+45=50
アディショナルタイムは50分。
さて、どのアディショナルタイムがおかしいでしょう?
(例3)は明らかにおかしい。
アディショナルタイムだけで45分を超えるのはありえない。
競技規則の項目1の試合時間は前半後半共に45分と言う規則を、アディショネルタイム単体で超えてしまっている。
しかし、空費時間を追加(加算)すれば50分になってしまう。
では、何が問題なのか?
答えは空費時間の考え方。または定義の仕方。
(例3)では観客乱入で45分間の中断をした。
なので空費時間を45分としてしまった。
試合が止まっている時間としては45分間なので空費時間が45分だと思ってしまう。
しかし、前半40分の出来事なので実際の空費は、40分から前半終了である45分までの時間の5分間。
(例3)の答えは
2+3+5=10
で、アディショナルタイムは10分が正しい。
競技規則には、空費の起こりうる事象についての明記はある。
しかし、空費時間の定義については述べてない。(と思う。)
そして実は、(例2)も間違いである。(これ重要!)
43分から3分間のプレー中断。
実質の空費は43分から45分の2分間。
なので、
5+2+2=9
アディショナルタイムは9分が正しい。
1分しか間違っていないので現場ではあまり気にならないと思う。
しかし、はっきりとした空費についての定義がなされてないと、なんとなくおかしい、なんか変だな?で終わってしまう。
さてそれを踏まえて、今回の19分の問題を掘り下げる。
アディショナルタイムの表示は4分が目安。
なので4分から4分59秒。
3分38秒で一旦試合が止まる。
試合が再開するのは8分1秒。
試合が止まった時間は4分23秒。
なので主審は空費が4分23秒と判断した。
なので8’01”+4’23”=12’24”
終わるのは12分24秒となる。
9分3秒でまた試合が止まる。
そして12分に試合再開。試合が止まった時間は2分57秒。
先ほどの12分24秒に2分57秒をさらに足す。
12’24”+2’57”=15’21”
試合終了は15分21秒。
13分30秒に六反がゴールを決める。
14分40秒 ウェリントンのファール。
18分40秒試合再開。試合が止まった時間は4分。
15’21”+4’00”=19’21”
試合終了は19分21秒。
実際の試合終了時間は18分50秒。
主審はこのような計算に基づき、空費時間をどんどんと追加してこんなに長いアディショナルになったんだと思う。
空費時間イコール、プレーの止まっている時間とだけしてしまうと、この様なことが起こり得る。
空費時間として加算される時間は、規定時間を超えてからの超過時間は入れない。と明記するべきである。
上の例だと、アディショナルの規定時間は4分。
なので、3分38秒でプレーが一旦止まった。
ここからプレーが再開されるまでの間を計測するのではなく、ここから4分までの間の時間が、空費時間。
なので22秒が空費時間。(最大でもそれに59秒は審判の裁量で足せる。)
試合が再開するのが8分1秒なので、
8’01+22”=8’23”
8分23秒(プラス59秒)が終了時間。
8分23秒〜9分22秒で終了するはず。
そして9分3秒でまた試合が止まる。
ここで時間が止まってももう足すことはできない。
なぜなら規定時間(ここでは4分)を超えてからの超過時間は入れないから。
9分22秒で終わる予定だったなら、最大であと19秒。
そして12分に試合が再開。
なので最長でも12分19秒には試合は終わらせなければいけなかった。
なので六反のゴールは無かった事になるはずだった!
空費時間の明確な定義がしてあればだけどね!
Jリーグ公式の平ちゃんの解説動画。